永遠平和のために

永遠平和のために

Author
カント

Publisher
岩波書店

Publish Date
1985-01-16

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 欧州連合(EU)の思想的な背景には、イマニュエル・カント(Immanuel Kant)の『永遠の平和のために(Zum Ewigen Frieden)』(1795)があると言われます。カントは、この著書において、永遠の平和を達成するための複数の条件を挙げています。たとえば、「国際法は、自由な諸国家の連合制度に基礎をおくべきである」という確定条項が書かれています。ここでは、平和条約と平和連合が区別され、前者は単に1つの戦争の終結を目指すのに対して、後者はすべての戦争が永遠に終結するのを目指すことにあるとされます。  ECSC条約(1951年調印)は、戦争を実質的に不可能にするために、石炭鉄鋼の共同管理を最高機関(今の欧州委員会)に任せることを規定していました。EUは、経済共同体である前に、平和共同体です。ヨーロッパには幾たびもの戦争がありました。EU(ECSC、EEC)が誕生してからは、EUの構成国間においては戦争はありません。