日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

Author
矢部 宏治

Publisher
集英社インターナショナル

Publish Date
2014-10-24

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われわれは、福島第一原発事故という言語を絶する損害をもたらした大事故を経験しました。この大事故を踏まえて、本学では、経済学部と法学部の研究者が、「非常時における適切な対応を可能にする社会システムの在り方」についての共同研究を行い、その成果が、齋藤誠=野田博編『非常時対応の社会科学――法学と経済学の共同の試み』(有斐閣、2016年)にまとめられました。私は、この共同研究に参加させてもらい、原賠法についての研究を行ったのですが、そのとき痛感したことは、「原発に関わる問題や制度を検討する場合には、原子力政策の歴史と構造をよく知り、国際政治・安全保障問題など関連する他の問題との制度的適合性を踏まえて、制度全体を巨視的に捉えることを心がけなければ、実現することが可能であり、期待する効果が得られるような政策提言にはつながらない」ということでした(前掲書11章を参照)。矢部さんの本を読めば、私がこのように言う理由が分かってもらえると思います。また、矢部さんの本は、制度は意外なところでつながっていることを知るのにもとてもよい本だと思います。